4. 3母数IRTモデル
3母数IRTモデルは、当て推量を項目ごとに設定したモデルである。3母数IRTモデルも1、2母数モデル同様に正規累積型モデルとロジスティックモデルで表現できます。しかし、3母数正規累積モデル(3 Parameter Normal Ogive Model)はほとんど利用されることはないのでここでは省略させていただきます。
3母数ロジスティックモデル(2 Parameter Logistic Model)
3PLMも1、2PLM同様にロジスティック関数を利用して表現することができます。実際に3PLMを表すと数式4-1のようになります。 ・・・ 4-1
ここで、3母数モデルから導入された当て推量について解説していきます。当て推量は、多肢選択式の項目で被験者が偶然に正解してしまう確率を表しています。そこで、4肢選択式の場合、1/4=0.25、5肢選択式の場合、0.2が目安の値となります。ただし、当て推量は必ずしも選択肢数の逆数に一致するわけではありません。それは、選択肢の中で答えではないという疑わしい選択肢があるからだからです。ゆえに、当て推量は選択肢数の逆数より大きな値となります。1、2母数モデルでは正答確率が0〜1で定義されていましたが、3母数モデルの正答確率は〜1となります。また、当て推量は、ICCにおいて下方漸近線となります。
ICC
3PLMでも、1、2PLM同様にICCを表現することができます。図4-1は、実際に3PLMのICCを描いたものです。それぞれ、項目1()、項目2()、項目3()としたものです。
図4-1 3PLMのICC
項目1、3は当て推量が0.1なのでICCが0.1以下になることがありません。同様に、項目2は0.3以下にはなりません。
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